今回の記事は未経験でIT業界転職を志す方向けに、ポイントと注意点を現役エンジニアの自分がまとめてみたので、それを共有する内容になっています。私自身未経験からIT業界に転職し、ある程度開発経験を積んでいるという状況ですので読者の皆様に近い考えを持っていると思います。転職前に是非一読いただければ業界の理解が深まると思います。
そもそも未経験でIT業界に転職は可能?

答えとしては可能です。むしろ未経験でIT業界に参入する難易度は他業界と比較しても比較的安易です。なぜなら専門学校に通っている方で企業アルバイトをしていた方以外は基本的に未経験からの出発と同じだからです。
しかし、IT業界は他業界と比べて構造が複雑です。そのため、転職を行う前にある程度業界の全体像、給料事情、フリーランスへの転身が可能かなど現在疑問に思っていることをクリアにしておくことが望ましいです。
IT業界に入る前にはっきりさせておくこと
現役エンジニアの私が厳選しました。下記3点を押さえておくことが非常に重要になってきます。

- IT業界の仕事の流れ
- IT企業のジャンルと開発領域
- IT業界で転職は当たり前、未経験入社する1社目は自身のスキルを身に着ける場と割り切る
上記3点をメインに話を広げていきます。
IT業界の仕事の流れ

IT業界の仕事の形態は基本的に2つです。
- 他から依頼があってシステムを提供する(受託型)
- 自社の保有するシステムやアプリなどを他に提供する(自社パッケージ型)
受託型の業務の流れ
まずは上の「他から依頼があってシステムを提供する(受託型)」に関してです。こちらは他の企業から「〇〇な問題があるが解決できないか」などの企業の課題に対してシステムを提供するのが主な仕事です。

例えばエクセルの入力時間を削減したいと考えている企業を例に考えてみます。
- 企業の中でエクセルの入力の作業時間を削減したいという課題が発生。
- 営業を介して受託型企業に話が入る
- 実際に現状を把握し、それに合わせたシステムを考える(要件定義)
- システムにあった設計を行う(システム設計)
- システムを作成する(実装(いわゆるプログラミング))
基本的に受託企業の仕事は上記のような流れで進みます。まれにコンペなどもあります。仕事をとってくるという面では様々な業務に携わることができるので幅広い技術力を身につけたい方は受託型がおすすめです。
ただし、この上記の流れごとに企業のジャンルが分かれているので企業ジャンルの章で再度補足説明します。
有名企業:SCSK、大塚商会、富士ソフトなど。
自社パッケージ型の業務の流れ
自社パッケージ型は現在開発し、リリースしている企業がすでにある企業です。まだ開発段階、または、開発完了し、顧客獲得段階などの企業はいわゆるベンチャー的な要素の企業で少し毛色が違います。(業務の流れ自体は下記と同じです。)
どのように自社のサービスを拡大しているかというところに注力しているということです。業務の流れは下記です。
- 営業が自社のサービスを世の中に展開していく
- 営業で獲得したサービスを利用したい顧客の企業システムに自社パッケージを導入する補助を行う
- また、導入時カスタマイズが必要な場合はそのカスタマイズを行う。
また、自社パッケージの機能拡張は必須ですのでその機能拡張にエンジニアの大半は割かれます。
自社パッケージやその周辺環境の構築がメインとなるため、業務の幅は受託型と比較して少し狭いかもしれません。ただ、最近は有名パッケージが続々と出てきており、今後のスタンダート開発になって行くかもしれません。
有名企業:Salesforce、Kintone、Sapなど。
IT業界の企業ジャンルと開発領域
前章で述べたビジネスの流れで出てきた各フェーズが存在しますが、そのフェーズごとに企業ジャンルは分類されます。順番に見て行きましょう。
IT業界の企業ジャンル
ざっくりと分けると下記の分類で良いでしょう。
- ITコンサルタント系
- SI系
- SES系(派遣)
- 社内SE系
受託型の企業か、自社パッケージを提供するかによって若干変わるところはありますが、基本的にジャンルは上記です。
ITコンサルタント系
特徴としては転職難易度が高く、給料も良いです。ただ、実際にプログラムを組むわけではなく、顧客企業に深く入り込み、経営に踏み込むようなシステムの導入を提案したり、システム構築を依頼する企業の選定などを行います。
こんな方におすすめ!
- 給料高めたい
- キラキラしたビルで働きたい
プログラムをしっかりと仕事にしたいと考えている方は1社目として選ぶ企業ではないです。ただし、IT未経験からの転職はかなり難しいと思います。
SI系
実際にシステムの全体像を構成し、設計していく技術部隊です。ただし、SI系の企業は規模によってやることが様々です。大きな企業になると要件定義までを行い、実際のシステムをプログラミングして行く段階では別の下請け会社に依頼する企業も多いです。
ただ、基本的に自社のチームメンバーと社内で開発がメインかつ、まれに、要件定義のフェーズからプログラミングまで全て自社で行っている企業もいるためなんでもできるという点では非常に魅力的な企業です。
こんな方におすすめ!
- プログラミングだけでなく幅広いスキルを身につけたい
- プログラミング以外の要件定義や設計、客先とのやりとりも行いたい
プログラミングを行うかどうかは企業規模が一つの目安かと思います。比較的規模の小さい規模のSI系企業が転職のしやすさ的にも狙い目です。実際にプログラミングを行うかは最終的には面接で聞いてみるのもありです。
SES系
いわゆる技術派遣です。SESの人材枠も様々ですが、コンサルタントを行うSESもありますし、設計のみなどもあります。一番多いのはプログラミングを行う人材を派遣する部隊です。
技術に関しては業界でもTOPなどの人もいると思いますが、ピンキリではあります。基本的に自社ではなく雇われた先の企業に常駐し、開発期間中は勤務します。開発期間が終われば自社に戻るというイメージです。
- 技術のみ一本に絞りたい
- 一つの会社ではなく、様々な企業で働いてみたい
技術一本で行きたいという方のみにおすすめできる企業形態です。
社内SE系
社内SEはある程度の規模の企業になれば必ず存在します。主に、従業員のIT資産関連の管理や、社内ネットワークの保守、ITツール導入時にコンサルタントやSI系企業の営業と対話をするのが仕事です。
社内に対しての理解が進む分技術という観点でいくと狭まることは否めませんが、一度社内SEになれば他企業の社内SEもすぐに転職できると思います。
こんな方におすすめ!
- 企業の管理などが好きな方
こちらも未経験で目指す企業ではないかもです。
企業形態のジャンルに関してはある程度理解出来たでしょうか?
次は開発領域の話も行っておきます。
IT業界の開発領域ジャンル
開発領域は下記です。
- Web系
- 組み込み系
- スマホ系
- クラウド系
- 機械学習系
Web系
Web関連の開発を主に行う会社。ここに属する企業の割合が最も多いです。
また、Web系と言ってもWebアプリの関連でスマホ端末との連携などが必要になることがあるのでスマホ開発も可能ですし、画像認識を取り入れることも増えてきているので機械学習の分野も扱えます。アプリサーバに関しても昨今はクラウドが主流なので」クラウド開発も行えます。
組み込み系
機械に組み込みを行う企業でここはメーカーに多いように感じます。例えば富士通など。機械を扱うとなると少し資金力のある大手になります。
スマホ系
スマホ開発をがっつり行いたいと考えている方はここになります。ただ、スマホのみの開発は私の偏見が入っていると思われまうすが、飽きがきそうなイメージもあります。
クラウドインフラ系
AWS/Azureなどのクラウド関連で環境構築を行うことに特化したところです。
機械学習系
ベンチャーが大半を占めており、お洒落なオフィスのイメージです。
私がお勧めするのはやはりWeb系です。汎用性が高くWebの知識があれば他の領域のこともある程度理解できます。
IT業界で転職は当たり前か?

答えとしては当たり前です。特に現代は転職自体が割と当たり前になってきています。企業的にも他業種の経験を持つ人材は新卒よりも重宝される傾向にあるようです。
基本的なIT業界のキャリアアップと言われる流れは下記です。
SES系→SI企業系・社内SE系→コンサルタント系
ではこれを踏まえてIT業界で何をしたいかをもう一度整理してみましょう。参考例に私が行った将来的な目指すことも記載しておきます。
未経験でIT業界転職のポイントと注意点
ではここまでの内容を踏まえてポイントと注意点を述べて行きましょう。
基本的に未経験からの転職で条件の比較的良い企業に入るためには下記の形態・領域の企業をお勧めします。
- SI系(受託型)
- Web系
特に自社パッケージ開発ではなく受託という点で様々な言語や環境に触れましょう。また、領域は最も汎用性の高いWeb系を推します。
また、注意点は下記です。
- SESも技術の勉強という点では良いが常駐先によってはかなりブラックな場合や派遣に対して厳しい企業が多いので注意
- コンサル・社内SEは未経験採用はかなり難しく、プログラミングは基本的にない
- 未経験でのIT業界転職の給料目安は年収300万〜350万程度を基準に(基本的にこれより高くはならないし、これより低い場合は考えもの)
- 最低限の勉強は必須(記事の終わりにお勧めの勉強法を載せてます。)
- プログラミングさえ企業で経験しておけばフリーランスになることは容易い
では今回の記事は以上です。
未経験転職の際に使えるテンプレートはリンクより見てください。転職活動の手助けになるかと思います。
コメント
[…] 「未経験でIT業界に転職する際に注意する会社選びについて」 […]